【新NISA】オルカンとS&P500に「100万円」を30年放置したらいくらになる? シミュレーションしてみた

年率2%の差が生む「複利のチカラ」を元銀行員が徹底検証

3月も下旬に差し掛かり、桜の開花が待ち遠しい季節となりました。新年度に向けて、新NISAを活用した資産形成を本格的に検討し始める方も多いのではないでしょうか。つみたて投資枠や成長投資枠において、特に高い人気を誇るのがオルカンこと全世界株式とS&P500です。

どちらも低コストで運用できるインデックス型ファンドですが、投資対象やリスクの取り方には違いがあります。今回は、オルカンとS&P500の特徴や過去の運用実績を比較し、長期投資のシミュレーションを交えながら違いを紹介します。


「オルカン」と「S&P500」とは?

まずは、それぞれの特徴を整理していきましょう。

オルカンとは

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)での連動を目指す投資信託です。日本・米国・欧州・新興国など、世界中の株式に幅広く分散投資するのが最大の特徴です。1本で「世界経済全体」に投資できる設計になっており、特定の国に依存しにくい構造です。

ただし、「全世界」といっても、構成比率は時価総額ベースです。現在は米国企業の比率が6割超と高く、実質的には「米国比率の高い世界分散ファンド」といえる側面もあります。それでも米国一国に集中しているわけではなく、世界全体に分散されている点が特徴です。

S&P500とは

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(配当込・円換算ベース)に連動することを目指すファンドです。S&P500は、アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど、米国を代表する約500社で構成されています。世界経済をけん引する米国企業に集中投資するため、米国の成長をダイレクトに取り込める点が魅力です。

一方で、投資対象は米国のみのため、米国経済が停滞した場合の影響が大きくなります。リターンの高さと引き換えに価格変動リスクも高めです。


「オルカン」と「S&P500」、過去の運用成果を比較

最新の基準日(2026年3月11日)時点のトータルリターン(分配金再投資)を比較してみましょう。

【オルカン】

・1年:+34.74%

・3年:+105.50%

・5年:+143.25%

・設定来:+239.09%

【S&P500】

・1年:+31.64%

・3年:+114.02%

・5年:+169.12%

・設定来:+293.19%

長期で見ると、S&P500の方が高いリターンを示しています。ただし、これはあくまで「過去」の実績です。今後も同様の成長が続く保証はありません。


【初期投資額100万円】「オルカン」と「S&P500」を30年間放置した場合のシミュレーション

ここでは、トータルリターン(年率)の設定来とリスク(年率)の数値を参考に、100万円を30年間運用した場合をシミュレーションします。一般的に株式の長期リターンは、「世界株:年率5~8%」、「S&P500:年率7~10%」とされることが多く、今回は中間的な水準を参考に試算します。

※あくまで参考シミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。

【オルカン】初期投資額100万円でシミュレーション

世界株の長期平均リターンを参考に、「年率6%」で30年間複利運用した場合、「約574万円」になる計算です。

【S&P500】初期投資額100万円でシミュレーション

S&P500の長期平均リターンを参考に、「年率8%」で30年間複利運用した場合、「約1006万円」になる試算です。

年率の差はわずか2%ですが、30年間の長い期間では複利の効果によって最終的な資産額に差が生まれる可能性があります。


差がついた理由として考えられることは?

複利の力

年率6%と8%の差は一見小さく見えますが、複利では「利息にも利息」がつくため、時間が長くなるほど差が広がります。長期投資では、この複利の効果が資産形成に大きく影響します。

投資対象の違い

・オルカン:世界分散(ただし米国比率は高い)

・S&P500:米国一本に集中

S&P500は、米国企業の成長を直接取り込める一方で、米国市場への依存度が高くなります。オルカンは世界に広く分散投資しているため、特定の国の影響を受けにくい構造です。そのため、爆発的な伸びは抑えられる可能性がありますが、地域分散による安定性が期待できます。


まとめにかえて

今回のシミュレーションでは、年率のわずかな差が複利によって大きな資産差につながる可能性が示されました。ただし、過去の高いリターンが今後も続く保証はありません。「どちらが増えるか」だけにとらわれるのではなく、「値動きに耐えながら長期で保有を続けられるかどうか」といった視点も大切です。

投資では、期待リターンだけでなく、リスクの大きさや自分のリスク許容度を踏まえて選ぶ必要があります。自分が納得して継続できる選択をすることで、長期的な資産形成につながるでしょう。

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