【日本市況】TOPIX大幅安で調整局面突入、中東緊迫-金利軒並み上昇

日本市場の大幅下落と中東情勢の影響

23日の日本市場では、株式が大幅に下落し、東京証券取引所のTOPIXは直近高値からの下落率が10%を超え、調整局面に入った。この動きは、ホルムズ海峡の開放に関する米国の警告とイランの反応によって引き起こされた中東情勢の緊迫感が投資家のリスク回避姿勢を強めたことが背景にある。

米国の大統領であるトランプ氏は、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、イランの複数の発電所を攻撃すると警告した。これに対し、イランは発電施設が攻撃を受けた場合、ホルムズ海峡を「完全に封鎖する」と威嚇した。国営テレビがこの声明を報じた。

和キャピタルの村松一之運用本部部長は、株式市場が金利上昇と地政学リスクの2つの要因を嫌気していると指摘し、「悪い金利の上昇と捉えられている」と述べた。

原油高とインフレ懸念

原油価格が上昇し、インフレ懸念が高まっていることから、米欧市場では利上げ観測が台頭している。日本の国債にも売り圧力が高まり、金利は各年限で軒並み上昇。新発10年債利回りは一時2.32%と、1月に付けた1999年以来の高水準に接近し、新発5年債利回りは1.72%と2月に付けた最高水準に迫った。

米原油先物は日本時間23日午後の取引で1バレル=98-99ドル付近で推移。一時は101ドル50セントまで上昇した。

国内株式・債券・為替相場の動き

TOPIXの終値は前営業日比3.4%安の3486.44ポイント。一時4.5%安まで下落し、日経平均株価は3.5%安の5万1515円49銭。一時2683円(5%)安の5万688円まで売られ、1月5日以来の5万1000円を割り込む場面があった。

長期国債先物6月物の終値は42銭安の130円79銭。一時59銭安の130円62銭まで下げ幅を拡大。新発10年債利回りは4.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.305%に上昇。

円は対ドルでニューヨーク終値比0.2%安の159円52銭。一時159円02銭まで上昇後、159円66銭まで下落。

株式市場の状況

TOPIXは2月27日に付けた史上最高値(3938.68ポイント)からの下落率が10%を上回り、日経平均に続きテクニカル分析面で調整局面入りが示唆された。日経平均は一時2600円以上、率にして5%超下げ、2カ月半ぶりに5万1000円を割り込む場面があった。

電機や機械など輸出セクターを中心に海運や非鉄金属、不動産、銀行、商社を含む卸売りなど幅広く売られ、33業種は全て安い。先行き不透明感が強まる中で投資家の恐怖心理を表し、日経平均VIは一時50台と、約2週間ぶりの高水準に上昇した。

国内新興市場への売り圧力も強まり、東証グロース市場250指数先物に午前9時30分から10分間、制限値幅の下限に達したことを理由にサーキットブレーカーが発動した。

楽天証券経済研究所の窪田真之チーフストラテジストは、値幅調整は既に十分進んだが、人工知能(AI)への懸念やプライベートクレジット問題も含めた複合要因が市場の重しになっていると指摘。時間をかけ過熱感を冷やす日柄調整を終え、再び上昇基調に戻るには数カ月かかるとみていた。

債券市場の状況

債券は下落。イラン戦争長期化への懸念から米長期金利が上昇したことを受け、終日売り優勢の展開だった。

ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は、米欧が利上げを織り込み始めたことから金利が上昇しており、日本国債も売られていると分析。ただ、原油高は景気にも悪影響を与えるため、「海外の中央銀行もしばらく様子見を続けるだろうし、日本銀行も中東情勢が落ち着かないと利上げは難しい」と述べ、金利が一本調子で上昇することはないとの見方を示した。

日銀の植田和男総裁は19日の金融政策決定会合後の会見で、原油高で「景気が仮に下押し圧力を受け成長率が下がっても、一時的で基調的な物価の経路にさほど影響しないのであれば、当然利上げは可能だ」と発言。タカ派的と受け取められたが、スワップ市場が織り込む4月利上げ確率は6割程度にとどまる。

為替市場の状況

円相場は対ドルで159円台半ばに下落。イラン戦争の長期化と原油価格上昇への懸念からドル買いの動きが優勢だった。

三井住友銀行市場営業部の納谷巧為替トレーディンググループ長は「原油の供給懸念からグローバルに金利が上昇する中、円は売られやすい」との認識だ。ただし、海外中銀が利上げに踏み切るにしてもまだ先で、今は様子見姿勢が強く、レートチェックなど日本の通貨当局による介入への警戒感もドルの上値を抑えていると話していた。

三村淳財務官は23日、財務省内で記者団の取材に応じ、円安が進んでいる為替動向について「国民生活や経済に与える影響を踏まえ、いかなる時もあらゆる方面で万全の対応を取る」と述べ、市場をけん制した。

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