円は対ドルで159円台前半、戦争長期化懸念で米金利上昇-債券下落へ

東京外国為替市場における円相場の動向

23日朝の東京外国為替市場では、円相場が対ドルで159円台前半を推移している。この動きは、イラン戦争の長期化や原油価格の上昇への懸念から、米国の長期金利が上昇し、ドルが買われていることに関係している。

日本が連休中の間、円の対ドル相場は日本銀行の植田和男総裁が19日に開いた会見がタカ派的と受け取られ、海外市場では一時157円51銭まで円高が進んだ。しかし、中東情勢の悪化に対する警戒感から再び円売りが優勢になっている。

SBI FXトレードの上田真理人取締役は、「植田総裁の会見では、よほどのことがなければ4月に利上げする決意が示されたが、米国も利下げしにくくなっており、金利差は縮まりにくい」と指摘している。金融政策でできる範囲は限られているため、「原油価格上昇が止まらない限り、ドル・円相場はじりじりと160円に向かう」と予測している。

現在、円相場は午前7時46分時点で対ドルで159円35銭(19日午後5時時点は159円21銭)である。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは23日付のリポートで、週明けの為替市場ではドルが買われており、イラン情勢の悪化を受けた原油高への警戒が強まっていると指摘している。各国の中央銀行の決定会合を経て、ドル・円は160円超えを回避しているが、原油価格次第では上振れリスクが残ると見ている。

債券市場の動向

債券相場は下落(利回りは上昇)が予想される。イラン戦争の長期化への懸念から、米国の長期金利が上昇した流れを引き継いでいる。

原油価格の上昇によるインフレへの警戒から、米国の年内の利下げ観測はほぼ消滅し、利上げを織り込み始めている。欧州中央銀行(ECB)は年内3回の利上げを織り込んでいる。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、中東情勢の悪化が意識され、原油先高観とインフレ懸念が売り材料にされやすいと指摘している。また、あすの40年債入札への警戒感も重しになると語っている。

先物夜間取引で中心限月6月物は、19日の日中取引終値比3銭高の131円24銭で終えた。鶴田氏の先物の予想レンジは130円60銭-131円10銭、新発10年債利回りは2.27-2.32%(19日は2.26%で終了)。20日の米10年国債利回りは前日比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い4.38%程度で引けた。

植田総裁の発言と市場の反応

植田総裁は19日の金融政策決定会合後の会見で、原油高で「景気が仮に下押し圧力を受けて成長率が下がっても、それが一時的で、基調的な物価の経路にさほど影響しないのであれば、当然利上げは可能だ」と述べた。スワップ市場が織り込む4月利上げ確率は6割程度を維持している。

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